紅茶
完 全 発 酵 茶 製造工程概略:萎凋→揉捻→転色→乾燥
イギリスの紅茶文化も中国発
イギリスをはじめ世界中で親しまれている紅茶ですが、本家本元は中国。中国茶が初めてヨーロッパに渡ったのは1610年でイギリスへは1630年頃。その頃は緑茶が主でしたが、18世紀になると発酵茶に人気が移り、それに応じるために福建省や安徽省で紅茶の生産が始まりました。そして19世紀にイギリスがインドやスリランカで大規模な紅茶栽培を始めるまでは、紅茶といえば中国産でした。現在、中国茶の中では地味な存在ですが、特にヨーロッパ諸国では高い人気を得ています。
クセになる東洋の味わい
中国紅茶は砂糖やミルク入れずにストレートで味わっていただきたいお茶です。ほどよい甘みがあり、またタンニンが少ないので多少濃いめでも渋味や苦味が出にくく、まろやかな味わいです。中でも「祁門紅茶(きーまんこうちゃ)」は1915年のパナマ万博で金賞を受賞し、国際的にも評価されています。
中国紅茶の種類
おおまかに工夫紅茶・小種紅茶・紅碎茶の3種類があります。
■工夫紅茶
じっくりていねいに作られたという意味で、銘柄の多くに産地名がつけられています。(祁門紅茶・英徳紅茶・雲南紅茶)
■小種紅茶
福建省武夷山で作られるお茶の一種のことで、正山小種(ラプサンスーチョン)が代表的
■紅碎茶
ほとんどが輸出用で、ペコータイプ(産毛の生えた茶葉)や細かくカットした碎茶、さらに細かい片茶など。
淹れ方のポイント
蓋碗や小ぶりの茶壷で淹れる場合は、温めた茶器に茶葉を3~4g入れ、沸騰させた湯を注いで数十秒蒸らすだけ・・と簡単ですが、茶葉を開やすくし、香りや味をより引き出すために、少し高い位置から勢いよく注ぐとよいでしょう。甘い香り、渋味が少なくまろやかな味わいをストレートでお楽しみください。紅茶は茶湯の色がきれいなのでガラスや内側が白い磁器がおすすめです。
代表的な紅茶
■祁門紅茶(きーまんこうちゃ)
安徽省祁門県が産地。インドのダージリン、スリランカのウバと共に世界三大紅茶とされています。この紅茶にベルガモットの香りを着香したものが「アール・グレイ」です。
■正山小種(らぷさんすーちょん)
製造工程の最終段階で松の木で薫煙加工され、独特の薫香がするこの紅茶は、中国紅茶の中でもユニークな存在で、いわゆる「紅茶」の原型と言われています。福建省武夷山が原産地。
■九曲紅梅(きゅうきょくこうばい)
100年以上の歴史を持ち、浙江省杭州市西湖周辺で生産され、緑茶の獅峰龍井とともに「一紅一緑」といわれる銘茶です。さらりとした上品な味わいです。
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